「ワイエスアグリプラント」の成り立ちから現在に至るまで、そしてこれからのこと。
「そら野テラス」を形作る現場の声で綴る、そら野ストーリーをお届けします。

【第3章 「そら野テラス」の存在~主婦として母として~】(3/3)

−「そら野テラス」は、瑠美子さんの人生にとってどんな存在ですか。ご自身は、元々金融という全然違う業界から、農業に移ってきて、人生の中でも大きな変化ではあったかと思うんですけれども。

そうですよね。

−そして、現在は、主婦として母として、家事や育児も色々あるかと思いますけど、毎日の中で、「そら野テラス」が占める割合と言えば。

大半ですね。(笑)今は未だオープンして1年という段階ですので、何よりも優先しているところではありますね。ただ、家が近いので、家の事もちゃんとやらせてもらっています。
仕事で言えば、前職で色んなことをさせていただいたので、そこでの経験が今に生きていると感じるところは多々あります。前の職場ではお客様の事業をサポートする役目だったわけですが、自分が実際にやる立場になった今、すごく楽しいです。経営に関しても接客に関しても、大変なところもある分、やりがいを感じています。自分がやった分だけ動いていくということを日々感じています。

−前職が生かされている点が大いにあるのですね。全然違う分野と思いきや。

例えば、社長や友和店長が「あれやりたい、これやりたい」というのがある中で、私としては一歩引いて外側から見てみて「いや、それはやめたほうが…」と冷静な受け止め方をするところがあるんです。そして、実際に、計算して数字を出してみると「これならやれるね」となる場合もあります。そういう点では役に立っているかなと思っています。

−前職でやってこられたように経営状態を分析し投資を管理していく能力や経験は、「そら野テラス」の経営体制にちょうど必要だったわけですね。

前職は13年間、勤めていたので、色んな分野があって、個人や法人の経営などに関わっていました。「この方向なら経営が安定するよ」とか「これは改善した方が…」など、多少は数字を見ることが出来るんです。そういう面では頼られているところですね。営業もしていました。経営者の方々にお会いして、計画書を提案して解決策を見出していく、と。

−営業経験から、今のカフェに通じるおもてなしの姿勢にも役立っているということでしょうか。

はい、それはありますね。

−お子さんも二人いらっしゃって、母として仕事と家庭の両立など、そのあたりはいかがでしょうか。お子さんたちは、「働くお母さん」の姿への理解などありますか。

両立しているかというと、もう少し家の事をやったほうがいいかなと思うのですが、こういう状況を子供達も理解してくれています。
「そら野テラス」が家族みたいになっているんですよね。スタッフ全員の名前を言えて、みんなと分け隔てなくおしゃべりをしたりして、楽しんでいるようです。家で待っているより「そら野テラス」に来たいという子供達なんです。ここに来ると美味しいものが食べられるっていうのもありますしね(笑)。
ただこれからは、受験があったり、思春期を迎えたり、どんどん難しい時期も出てくると思います。今のスタッフも若いママさんがたくさん居ますし、これから入ってくるであろう方も主婦の方が中心だと思いますので、そんな方達が両立しながら働ける職場を、私が率先しながら、家族の時間を大事にしつつ、バリバリ働ける環境づくりをしたいなと思いますね。

−「トネリコ」と「そら野デリカ」の加工部門の責任者として、そして、家庭も大切にするお母さんとして、スタッフ皆さんのお手本となるように、イキイキやっていきたいということですね。人生における「そら野テラス」という問いから、働く主婦としての大事な声を聞けたような気がします。

−最後に、「そら野テラス」に対する10年後の夢はお持ちですか。どんな風に育てていきたいですか。

どんどん大きくしていきたいというよりは、最初に思っていた夢をしっかりと実現させて、地道にコツコツ進んでいきたいです。

−社長や友和店長とはまた違った答えですね。視点が、女性ならではというか、瑠美子さんならではというか。

そうですね、でも彼らの考えを否定するわけではなくて、良いなと思えばもちろん、そちらの方向に進むと思います。

−当初思っていた事というのは、どういったことでしょうか。

ここが「地元のお母さんたちの憩いの場であり癒しの場」であってほしいと思っています。私もそうですが、くつろげる場所が欲しかったんです。見慣れた風景の中で、そんなにザワザワとするわけではなく、少し時間があったら「ちょっとそら野に行こうか」という感じの場所にしたいなあって。

−そこは友和店長も同じような感覚をお持ちですよね。ゆったりとした空間にしたいという。来ていただいた方の気持ちに沿うように育てていきたいということですね。

(先ほどの瑠美子さんの「お母さんとして」の言葉を受けて)---社長--- 一番俺が気にしているところは、スタッフに無理をさせないというところなんです。とにかく今、うちのスタッフは子育てをしている人が多いから、あまり負担をかけたくないんです。子供が親を必要とする時期はわずかです。でもそのわずかな時間こそ、子供にちゃんと接してあげることが大事で、その時間が少なくなればなるほど、子供にストレスを与えているんだと思います。子供を育てていくためには、我々、親に、ある程度の余裕がある環境にしていかないといけないと思っています。人間を育てるということが一番大事な仕事なんだから、そこが外れてしまうと企業としてはダメだと思っています。だから無理は言わない。ゆっくりと進めるのが大事だと思う。子供が必要としている時間はそんなに長くはないし、そのうち子供は親から離れていく。その間「ゆっくりと子供達と接する時間を作る」ということを大事にしてほしいと思っています。

ダイナミックに変わっていこう、というよりは、自然と出来ることを進めていくということですね。ありがとうございました。



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