「ワイエスアグリプラント」の成り立ちから現在に至るまで、そしてこれからのこと。
「そら野テラス」を形作る現場の声で綴る、そら野ストーリーをお届けします。

【第2章 商品作りで心がけていること】(2/3)

−瑠美子さんは、「トネリコ」のメニューやデリカの商品作りを一手に引き受けていらっしゃいますが、最も心がけていることは何ですか。

最初に私がこの仕事に就いた時は、まだ、「そら野テラス」ではなくて、前身の「あぐりの里」という直売所でした。そのレジに立って地元の農家さんの農産物を売っていたのですが、新鮮な野菜や果物を目の前にしながら「まだまだ売れる余地があるな」という感覚がありました。「すごくいい商品なのにもったいない」と。そんな中、野菜ソムリエの資格をとり、野菜や農業に関して勉強したことで、農産物の価値がさらに深まりどんどん発信していきたいという思いが強くなっていきました。そういった経緯もあり、農産物の魅力や素材の本当に大切なところをお客様に知ってもらいたい、感じてもらいたいと思いながら商品を作るように心がけています。旬のものを旬にいただくとか、新鮮な状態でとか、余計な加工をしないとか、そのようなところは常に意識しながら商品作りをしています。

−本当にいい野菜や果物に囲まれていますものね。まさに、野菜ソムリエというのは、そういう命を生かす技能なのでしょうね。

生かしたいですよね。生産者さんの顔が見えるので、まずレシピを考えたり、次はどんなものにしようか決めるときに生産者さんの顔がまず浮かぶんですよね。
「この人の野菜をこんな風にして作ったらどんな風に思うんだろう」とか、「喜ぶかな」とか。考えていると必然的に使う農産物も決まってきますし、楽しいですよね。だから次はこの生産者さんのあの野菜を使おう、とか、もう少ししたら次はこの野菜が出てくるかなとか。生産者さんそれぞれの得意な農産物に合ったメニューを考えるのが楽しいです。

−農家カフェならではの、良さですね。都会のレストランではわざわざ食材を求めて特定の農家さんと契約して、などとやっていますが。当然、素材を無駄にしないようにとか味を殺さないようにとなってきますよね。でもそうなると大変ですね、一つ一つのメニュー作りは。

そうですね、大変です(笑)。私も飲食業界の仕事に関してはまだまだですし、生産者さんたちも飲食店向けの納品は、初めての方も多くそれを考慮しての生産はこれからです。なので、どれくらい取れるか、どれくらい使うかという事に関しては手探りの状態で、毎回模索しながらの食材集めです。そこは苦労しているところですね。

−今の話を伺って疑問に思ったのは、素材ありきでレシピを作っていくのか、レシピありきで生産者さんたちに声をかけていくのでしょうか。

両方ありますけども、基本的に「野菜を使った和食」のお料理ですので、まず旬の野菜があって、そこへ生産者さんの野菜リストを照らし合わせながら考えていきます。野菜はなるべく旬のものを使う、基本のお料理に旬のものをどんどん入れ込んでいくという感じですね。



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