「ワイエスアグリプラント」の成り立ちから現在に至るまで、そしてこれからのこと。
「そら野テラス」を形作る現場の声で綴る、そら野ストーリーをお届けします。

【第3章 「そら野テラス」店長として心がけていること】(3/4)

−店長として、お客様や生産者の皆様と接することが多いと思います。そら野テラスは皆様にとってどんな存在でありたいですか。

地元のお客様には普段使いで気軽に来てもらえるようなお店でありたいと思います。既に常連さんもいらっしゃいますが、そういう方々は、スーパーではなく、まず、うちに来て地元の野菜を見てもらって、という、欠くことのできないライフライン的な役割でありたいです。一方、遠くから来てくださる方にとっては、観光スポットとして利用していただけたら嬉しいです。元々こういうことを始めたのも、ただ買い物に来ていただくのではなくて、ちょっと非日常を味わってもらいたい、という気持ちがあったんです。ここに来て楽しい気分になって帰ってもらえたら、最高ですね。
生産者さんについては、生産者さんのためになる店にしたい。うちだけが良いというような店の運営は絶対ダメだと思っていて、ここに係わる生産者さん達もちゃんと良くなるようにしたいです。

−ここに置くと売れるし、お客様から美味しいと言ってもらえるような、やり甲斐につながるお店にしたいということですね。

ここでもっと野菜を売りたいんだけども、実際、作る畑や人手が足りないという生産者さんもいるんです。それって本当はすごく生産者さんにとっては良いことなんですよね。ある生産者さんは「畑が空っぽだ」と言うんですよ。以前の直売所だと、正直売れ残りも多かった。いちごの時期だけはどーんと売り上げがあるんだけど、それ以外では低迷している時期もありました。その生産者さんも、(売れ残る事が多いから)「しばらく休むわー」なんて、へそを曲げてしまったこともありましたね(笑)

−せっかく作った野菜が売れ残っちゃうと悲しいですものね。でも今は、「畑が空っぽ」になるほど売れるんだから、俄然やる気になりますよね。

そうそう。そうなると、(「そら野テラス」は)生産者さんにとってひとつの生きがいとしても機能しているんだなあと思います。

−地元のお客様、遠出のお客様、生産者様の三者に対して、「そら野テラス」の役割というか、存在価値が見えてきたのですが、それを達成するために、店長として心がけていることはありますか。

まずは、「全員お客様」ということですね。スタッフに伝えていることは、「生産者さんも全員お客様なんだ」ということです。だから、生産者さんが怒って帰るような対応は絶対にしないでほしいし、必ず一般のお客様同様、「ありがとうございます」と言ってくれ、と話しています。率先して俺も言うようにしています。スタッフの感じが悪かったり、嫌な対応に触れたりすると「もう(野菜を)出さない」となるわけですよ。当然、生産者さんたちは、「そら野テラス」の売り上げにすごく貢献してくださっているわけなのでお客様なんです。

−その方たちが出してくれる農産物で店の運営が成り立っているのですものね。

そうそう、その人たちに食わされているんですよ、俺達は。だから、必ず「ありがとうございました」という気持ちでいます。



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